第578話 ガニー東部の結果報告3

 モージャンとニースコンに家臣たちを送り出したジェロは、アルマティとリスチーヌの3人でガニーの東の山脈に向かっている。

 ジェロ1人かアルマティと2人だと全て≪飛翔≫という選択肢もあったが、まだ慣れていないリスチーヌもいるため戦馬バトルホースで森の手前まで進むことになっている。


「あ、あそこに領軍が」

「まだゴブリンやオークは残っているみたいだな」

「もう私達の仕事はしましたし、ジェロ様は行かなくて良いですからね。ほら迂回していきましょう」

『何にでも顔を突っ込むようになったと思われているんじゃない?』

『そんな。行かないよ』

『そうかしらね』


 道の拓かれていない森の中までは馬で進めないため、そこからは≪飛翔≫で山脈手前まで進む。

『ハポリエルに場所は確認させているから、このまま真っ直ぐ行って』

『助かるよ』

 ジェロ自身は≪望遠≫で遠くから見ていていただけの、ワイバーンたちとドラゴンの戦闘。その戦闘後に落下した場所に向かう。


「やはり大きな魔法の袋が欲しくなりますね」

 互いの牙や爪などによる裂傷もたくさんあったワイバーン6体とドラゴン1体の死体を収納していると、山頂の方から非常に低音の唸り声が聞こえて来た。

「何か危険な感じがしますね」

「急いで帰ろう!」

 別のドラゴンなのかもしれないため、できるだけ木々の低いところを飛んで逃げ帰る。


 ガニーの街のヤンクイユ商会に持ち込むも、もうしばらくは倉庫も売り先もいっぱいで買取できないと言われてしまう。

 仕方ないので、モージャンのアナトマのところにジェロたちも向かうことにした。

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