第521話 王都ジークセンの中心部の攻略
増えた解放軍の被害に対して、ジェロ達の回復魔法やポーションなどが活躍していた。元々は親しくなっていった冒険者達、皇国から来た冒険者とレジスタンスに参加していた冒険者どちらにも家臣達の知り合いが居たので、その繋がりから段々と治療対象が増えていくことになったのである。
『目立つから嫌だったんだけど、ほっとくわけにもいかないからな……』
『もう今更じゃないの?』
王都ジークセンは中心から、王城、行政施設や貴族のエリア、富裕層のエリア、一般住民のエリアと分かれており、まだ富裕層4区画のうち2区画と一般住民4区画全てしかエリア単位としては解放できていない。
残っているエリアでは、レジスタンスや冒険者の格好は目立ち、そこの住民に混ざることができないから余計に今までのやり方が通じないのもある。
「もう、内側から城門を開けたり、帝国兵を住民の数で囲んでしまって戦意喪失、武装解除させたりしていた方法は使えない。かといって今のように真っ向勝負をするとこちらも被害が増える。何か良い策は無いだろうか?」
ユニオール皇国のドゥケ司令官が軍議で提議するが、力押しをするというアルノワ副官以外からはまともな意見が無い。コンヴィル王国のフェリック王太子達からも建設的な意見が出ない。
「しょうがねぇな、お偉い人たちは頭がかたくて」
レジスタンスのリーダーをしているドナシアンが我慢できなくなったようである。
「何だと!」
「事実だろうが、え?俺たちが囲んだから帝国軍はもう逃げ場が無いよな。でも援軍の当てもないなか戦っている。食い物や矢などの消耗品が王城にいっぱい残っているから頑張れているんだろう?それに戦いなんて敵の頭を潰せば良いって決まっているのに」
「そんなことは分かっている!小国といえ王城を相手に、そのような狙ったところに……まさか」
「ようやく分かったかい?」
ドナシアンが自分の方を見て発言しているので、嫌な予感がするジェロ。
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