第520話 王都ジークセンの攻略3
「どうして残り2区画が解放できないのだ!」
王都ジークセンの富裕層エリアの4区画のうち2区画は、一般住民エリアと同様に解放していくことができた。しかし、残り2区画に苦労している。
「それが……」
軍議の場で、報告者がモーネ王女の方をチラチラ見て言い淀んでいる感じである。
「ハッキリと言え」
「はい。富裕層の住民は、帝国軍の軍票を使用する高額取引が多かったので、もし帝国軍が敗れると資産価値が暴落します。そうなると帝国軍が残っている方がありがたい者もおりまして、住民蜂起が上手くいっていません」
「とは言っても、二等国民として虐げられていたのではないのか?」
「その前の国王や王太子の理不尽の被害も経験しているようでして……」
「あぁ……」
理解できてしまう者も多く、言葉を続けられない。モーネ王女も申し訳なくて頭を下げるしかない。
「分かった。その2区画は残したままでも、残り2区画からその内側の行政施設や貴族のエリア、そしてそのさらに中心の王城を攻略していくしかないだろう」
「はい、無理に奪還しても、そいつらに帝国軍へ内応されると面倒なので、いったん放置しましょう」
「最終的には、軍票については新ラーフェン王国で買い取る等の対策検討が必要でしょうな」
「はい、王族としての反省、国民への謝罪と軍票の扱いについては対処いたします」
モーネ王女が今後の対応を約束して軍議を終える。
しかし、その中心部の行政施設や貴族のエリアになるほど、国王や王太子の理不尽さの被害者が多くなり、一般住民エリアに比べて内応者が少なくなり、苦戦する。
結果的にはジェロ達の魔法や、レジスタンス、冒険者達の裏工作で少しずつ解放部分が増えていくが、解放軍の被害も増えていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます