第495話 交流会のその後
「大丈夫ですよ、ジェロ様。結果オーライですから」
仲間とだけの夕食の場で、昼間の≪飛翔≫と≪爆雷≫乱発のその後について、イドから状況が説明される。
「まず冒険者達の方ですが、引率のギルド職員アイメリックが謝罪に来られました。結局は仕官希望の者達が多くて迷惑をかけてしまったことについて、です。ただ、ジェロ様を侮っていたり疑ったりしていた者達は実力を垣間見たことから、元々信じていた者に加えて、前線に向かう戦意、士気が向上しているようです。ただ、戦で目立って仕官に繋げたいとも言っているようですが」
「それは結果オーライなんだろうか」
「皇国の騎士団達もある意味で同様です。ユニオール皇国にすれば小国であるコンヴィル王国の新興の子爵程度、という気持ちだった者達もジェロ様を見直したり、これならばこちらが少人数のままでもムスターデ帝国を追い払えるのではないかと言い出したり」
「うーん、まぁ良かったのかな。あれ以上は持ちそうになくて逃げ出したくて」
「ジェロ様のお気持ちもわかりますが、他国である皇国軍が中心の行軍の中で、あのような強力な攻撃魔法を事前連絡なしに行うということは、処罰されても文句を言えないのですよ」
「マドロール、悪かった。分かったよ」
「まぁまぁ。これからも冒険者や他者との対応は、できるだけ我々が間に入るようにして、ジェロ様のご負担を減らすようにすれば良いことだ。なぁ」
「まぁそのための家臣でもあるので、ぜひ我々を頼ってくださいね」
「良いようにまとめていますが、お一人で≪飛翔≫はダメですよ。絶対にアルマティを連れて行ってください!大事なお体なんですから!私も早く修得しないと……」
結局は最後にリスチーヌに叱られてしまうジェロであった。
彼女も≪飛翔≫を早く覚えて、アルマティではなく自分自身が空でも護衛になると頑張っているようであるが、エルフのアルマティほど早くは修得できずに苦労しているようである。
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