第491話 その頃のルグミーヌ王国(+簡易地図)

「お父様、ユニオール皇国がラーフェン王国を占領しているムスターデ帝国に攻撃を開始するというのは本当ですか!?」

ラーフェン王国の西部に隣接するルグミーヌ王国。その王城で、第2王女のメンヒルトが父であるハーラルフ・イブリッツ・ルグミーヌ国王に詰め寄る。

「あぁ、コンヴィル王国からの早馬だ。ここに伝わるにはかなり遠回りしてくるから、すでに現地では攻撃が始まっているかも知れないな」

「では、ラーフェン王国内を最短距離で伝達できる帝国軍はそのことはとうに知っているはずですよね。国境での帝国軍の動きはどうなのですか?」

「メンヒルトよ、昔はそんなことに興味は無かったのに、そこまで……」

「メンヒルト王女殿下、すでに国境には早馬を飛ばしております。まずは狼煙で簡単な返事が来るはずです。お部屋の方でしばしお待ちくださいませ」


「ベンタイン宰相、先ほどの東の方の狼煙は!?」

「はい、そうです、国境からの返事です。帝国軍に何らかの動きがあるようです。しかも我々ルグミーヌ王国へ攻め入るため等の増強ではなく、減少のようです。詳細は早馬での連絡待ちですが」


「お父様、これは好機!いっそラーフェン王国の帝国軍に対して攻撃をかけることで、コンヴィル王国などへ協力姿勢を示されてはいかがですか!?」

「メンヒルトよ、そなたの言うことも理解できるが、たとえラーフェン王国から帝国兵を追い払っても、我々ルグミーヌ王国は帝国と接する国境が残る。決して軽々しく動くことができないことは分かるであろう」

「そうはおっしゃいますが、我々は先日も帝国の手先によって、国内に魔物をばら撒かれ、私や国民達がその魔物達に囚われることになったことをお忘れですか?コンスタン様のお働きのおかげで何とかなりましたが。ここで対応を誤ると今後も舐められ続けることになりますよ!」

「メンヒルトよ、落ち着くのだ。わかっておるから」


〜〜〜〜〜

大雑把な位置関係:

      コンヴィル王国 – ベルカイム王国 – ユニオール皇国

 ルグミーヌ王国 – ラーフェン王国 – ユニオール皇国

 ルグミーヌ王国 – ムスターデ帝国 – ユニオール皇国

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