第487話 皇都からの出陣3

皇都の街中を、皇国民の士気高揚のためにも使われている軍事パレードが進む。


昨日に挨拶済みである皇国軍の幹部、アクセル・ドゥケ司令官、ジョルジュ・アルノワ副官、マテオ・デュクロ副官。それぞれ騎士団の侯爵、伯爵、魔術師団の伯爵でもある。

3人ともそれぞれ騎乗して騎士団、魔術師団を率いており、その後ろにモーネ王女とその護衛であるジェロ主従が、そしてその後ろに冒険者達の集団が並ぶ。

騎士団は騎士と従士のいずれも騎乗しているが歩兵もおり、この軍団の主力で2,000人規模、その後ろに魔術師団であるが騎乗者は少なく馬車も多く50人規模。その後ろのモーネ王女はユゲットとジャクロエや使用人などとジェロ主従で20人規模。最後の冒険者達は騎乗も居るが徒歩も馬車も居る300人規模である。


既にベルカイム王国への援軍派遣も行なっており、皇都で追加参集した集団であるため現状はそれほどの規模ではないが、これから順次追加されていき、最終的にラーフェン王国との国境ではこの2倍3倍の規模になる予定と聞いている。


今回はコンヴィル王国の王都ミューコンの出発時と違い、同行の人たちにジェロ手製のポーションの配布による挨拶はしていない。皇国軍の幹部達は、小国貴族からの差し入れを素直に受け入れない可能性があるというマドロールのアドバイスに従ったのである。



ちなみに冒険者達を率いているのは、冒険者ギルドでも皇都本部の職員である金級相当の事務職員アイメリックである。ジェロ達がモージャンやニースコンに引率していった時に比べると一桁違う規模の冒険者達を率いるわけで、それを任されているだけ能力に長けているのだと思われる。

昨日の挨拶の時でも、当時のジェロが人見知りをして会話もまともにできていなかったことに比べると、確かに頼りになりそうな印象だとジェロは思っていた。

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