第474話 皇都ダンジョン2

皇都近くにあるナンテールダンジョンの追加情報を仕入れてきたレナルマンが仲間達に共有をする。


モージャンでオークが発生した新ダンジョンのような全てが洞窟タイプでもなく、昔からモージャン近くにあったダンジョンのように階層ごとに環境が全く異なるタイプではあるらしい。

モージャンのダンジョンは例えば3階層に行くには1階、2階を経由し、帰る時も2階、1階を経由する必要があり、攻略にはどうしても時間がかかるものであった。それに対して、ここのダンジョンは転移の魔法陣があり、一度足を踏み入れたことがある階層にならば、入口から途中の階層を飛ばして直接行ける、また途中の階層を飛ばして出口に帰ることができるらしい。


「それは深い階層、例えばBランク魔物だけを相手に訓練することも容易ということだな」

「あぁ、モージャンだとそこまで辿り着く往復だけでも時間がかかったからな」

「そんな効率的に訓練できた冒険者、そして軍隊は精強になるよな」

「ユニオール皇国が大国になった一因でもあるようです」

「よし、弱い魔物の浅い階層はさっさと通り過ぎて、強い魔物相手に頑張るぞ」


自分はポーション調合や魔法カード、魔導書集めに注力しようと思って聞き流していたのだが、仲間達は許してくれない。

「ジェロ様も、新しい魔法のお試しをどこでされるおつもりですか?ダンジョンの中ならば自由にできますよ」

「いや、ポーション調合などあるし……」

「いいえ、すでに我々よりお強いことは認識しておりますが、何かと巻き込まれるジェロ様の今後のことを踏まえるともっと訓練が必要かと」

「いや、そんな……」

『彼らが言うことはもっともよね。ふいをつかれた時に魔法以外、その刀も使えないとダメだしね』

ヴァルまで家臣達に同調されてしまい、毎日の素振りだけは継続しているのに、と思いながら渋々同行することを合意するジェロであった。

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