第472話 皇都での冒険者2
皇都で入手できた魔法カードの中で、今までとは系統が違ったのは≪衝撃波≫≪魔力矢≫というものであった。これらは、火風水土光闇のいずれの属性でもない無属性の魔法であり、力の加減を行い易いために街中や屋内での対人戦闘において威力を発揮すると思われる。
またジェロ的に嬉しいことにこれら2つともが古代魔術のカードであったことである。
『ほら、やっぱり古代魔術は一語一語が現代魔術に比べて良いよな』
『まぁ簡易魔術に比べるとね』
マニアな発言に対してヴァルに呆れられるのはいつものことであったが、ヴァルからもジェロが使ったかのように偽装するには、ジェロの修得済み魔法が増えることの方がありがたいこともあり、あまり深追いはしていない。
「ジェロ様、邸宅の処分の取り消しは行いました。ただ、長期滞在になるのでしたら、もっと広い屋敷に変更されるのも良いかと思いますが」
「いやいや、これでも十分だよ。ちゃんとした屋敷はガニーの街にできるはずだから」
「そういえば、あちらの建築はどこまで進んでいるのでしょうね」
「先日出した手紙は届いているでしょうから、こちらのことは心配せずにすんでいると思いますが」
屋敷の建築を開始した後にガニーを出て、ラーフェン王国、ベルカイム王国、ユニオール皇国と移動を続けてかなりの日数が経ったことを改めて振り返る。
「異国の地ですが、ようやく冒険者らしい生活になりますかね?」
「いや、俺の本分はギルド職員だよ」
「いえいえ、貴族ですよ」
「まぁここでは面倒な貴族の付き合いも回避できますし、冒険者生活を満喫しましょうよ」
確かに他国でギルド職員での業務も無いし、コンヴィル王国の貴族としての付き合いは皇城にいる外交貴族ムランたちに任せれば良いし、たまにモーネ王女達のところに顔を出す以外は自由にできるはずである。
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