第471話 皇都での冒険者
「この皇都に調達した拠点で待機することにします」
モーネ王女に聞かれたジェロが今後の身の振り方を答える。
「え!?」
「この皇城で、合同使節団がいつまでも待機することになると、経費ばかりがかかりますよね。我々主従だけでも、皆さんが皇都につくまでの間に確保していた拠点に移動します」
「テルガニ子爵、皆さんのお力ならば、皆さんだけコンヴィル王国に戻ることも可能でしょうに」
「モーネ王女、ヒルデリン王子達だけ置いていくわけには行かないですし」
「ありがとうございます。わかりました、元々冒険者の皆さんですしね。少し羨ましいですね。ときどきは顔を見せてくださいね」
モーネ王女達が国境付近に移動することにでもなれば護衛として同行するだろうが、皇城にいる限りはジェロ達にすることは無い。
冒険者風情、成り上がり、という目でジェロ達を見る者が減って来たのは確かだが、それでも居なくなったわけでないのもあり、可能であれば城を出て街中の拠点にいる方が気が楽である。
皇都の中の掃除などの依頼を受けるつもりはないが、討伐などの依頼であれば今のメンバの成長のためにもありだと思っている。
それに、同好のギルド職員に紹介された魔法カードの店舗で、さらに追加調達できる可能性もあるし、大国の都であることから魔道具店などで魔剣や魔導書の調達にも期待している。
実際、≪土壁≫の古代魔術の魔法カードを入手できた喜びもあったが、さらに今まで入手できていなかった系統の魔法のカードも入手しているからである。
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