第469話 皇城の混乱2

皇城にいるコンヴィル王国とラーフェン王国の合同使節団の方は、皇国からしか情報を貰うことができない。またその皇国側も大変な騒動であり、軍事情報をどこまで精査して他国に提供して良いのかの判断も簡単にはできないため、初報からはほぼ追加情報がない。


「皇国側が混乱していることは分かるが、我々はどうしたら良いのだ」

「ムラン伯爵、ここは待つしか無いかと」

「カルカイム子爵、そうは言うが、もしベルカイム王国まで帝国に占領されると、我々はコンヴィル王国に帰る経路がなくなるのだぞ。間のラーフェン、ベルカイムの2ヶ国が帝国の支配下になると。そうなるとこの皇国に閉じ込められることに……」

「分かっておりますが……」

コンヴィル王国からの外交官2人が答えのないやり取りをしている。


「このまま時間を無駄にせず、我々がやってきた北部のルートで山脈を越えてランソンヌの街を通り、ベルカイム王国の王都ルージャンに向かった方が良いのでは?」

「レナルマン様のおっしゃることもごもっともですが、ユニオール皇国がこの隙にラーフェン王国に攻め入る案を取る場合、モーネ王女という神輿が不在では弱いです。このまま皇国にとどまり、ラーフェン王族とともにラーフェン王国にいる帝国兵を追い出す選択肢を残すべき、というお話もあるかと」

「マドロールの話もわかるが、皇国はそこまでしてくれるのだろうか。今までのことを踏まえて。それならば、モーネ王女も連れて、さっさとベルカイム王国を抜けてコンヴィル王国に戻った方が安全じゃないか?」

「モーネ王女、ヒルデリン王子のお二人の命、安全性だけ考えると皇都に残って貰う方が確実でしょう。その時に、ジェロマン様や我々はどうすべきか、かと」

「ジェロ様、どうしましょう?」

「うーん……」

ジェロマンたち主従も少ない情報の中で、どうすべきか悩んでいる。

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