第428話 ベルカイム王城への登城3
控え室に戻った一行。
「ムラン伯爵、お疲れ様でした。今後の交渉は難航しそうですね」
カルカイム子爵の発言に皆が頷く。
「今よろしいですかな?」
突如現れた宰相ジョス・ドゥネーヴ。
「もちろんでございます」
「先ほどは失礼しました。ご覧になりましたように、あの騎士団長ラウル・ノヴェールは帝国寄りでしてな。今まで皇国の傘下でこの王国は繁栄して来たのに、恩知らずな者で」
「はぁ。お立場ごとに思いもあるのかと」
「流石、ムラン伯爵は言質を取らせませんな。では本題と行きましょう。こちらの方がテルガニ子爵ですか。帝国からの魔人を何人も倒され、ガニーの街を救った英雄というのは」
「……」
「我々も目が見えず耳が聞こえないわけではありません。私としてはベルカイム王国から帝国のかげを無くし、平穏を取り戻したいのです。そのためにはラーフェン王国が帝国との間に存在する方がありがたいのです」
「それはありがとうございます!」
「王女殿下、そのためにもご協力頂きたいことがございます」
「は、何でしょうか。今は国がない私たちにできることでしょうか」
「まずはヒルデリン王子と、我らがアンネ王女との婚約。こちらは2点目に目処がついてからで結構です。そしてテルガニ子爵の腕に期待しての魔物討伐です。今、皇国との国境の山脈に棲みついて問題になっている魔物を討伐して来て欲しいのです。討伐証明は私が指示する相手に渡して頂ければ」
「かしこまりました」「テルガニ子爵、ぜひ頼むぞ」
「は」
『どんな魔物でどんな量かも聞かないのね、このムランって』
『まったく』
「それは助かります。ワイバーンが数体棲みついているらしいのです。よろしくお願いしますね」
『はぁ?』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます