第427話 ベルカイム王城への登城2
王城でも上等そうな絨毯が敷かれた通路を通り、大きな扉を開けて謁見の広間に入るジェロ達。もちろんジェロの日本刀2振りは魔法の収納にしまってある。ヴァルはジェロの顔近くを飛んでついて来ているため、姿が見えるジェロにすると日頃より安心感がある。
とは言うものの、ジェロは入室してからひざまずくまで下を見たままであり、この後も発言機会はないはずと集団の最後尾に控えておくつもりである。
宰相と思われる司会的な立場の発言で、モーネ王女、ヒルデリン王子、ムラン伯爵達の名前の紹介がなされる。
「モーネ王女か、かなり久しぶりではないか。美しくなったものだな。適齢期の息子でもいれば嫁に来て欲しかったな」
「ありがとうございます、陛下。しかし、今はそのような時期ではなく、ぜひともラーフェン王国奪還のため御協力を賜れればと」
「ふむ、気持ちはわかるのだが、我が国の立場では即答はできないのだ」
「国王陛下、発言の機会を賜りたく」
「コンヴィル王国のムラン伯爵だったかな。何かな?」
「は、バルナタン・ムランにございます。御国の立場を存じておりますればこそ、のお話を。ムスターデ帝国は支配した地域を二等国民として差別しますし、いわんや王族の皆様には。ラーフェン王国の安定化が終わり食指を広げる前に、我々コンヴィル王国とルグミーヌ王国と共闘す」
話が終わる前に鎧姿の男が割り込んでくる。
「無礼であるぞ!国王陛下は他国の伯爵程度に指図を受ける方ではないわ!逆に帝国を上手く活用される予定である!」
「ノヴェール騎士団長!他国の外交官に対して、そなたこそ無礼であるぞ。それに陛下は帝国と結ぶと予定はされていない」
宰相と思われる男がさらに口を出してくる。
「国王陛下、他国の支配に変わっても貴族や官僚は同様の地位が維持されることが多いですが、王族は違うことだけ最後に申し上げさせていただきます」
「ふむ、家臣どもが失礼をした。本日は以上だ、良いな、ジョスもラウルも」
「「はは」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます