第413話 ベルカイム王国への国境2

「おい、あれは!」

帝国兵に見つからないように街道を避けてベルカイム王国に入国するため、山奥を進んでいたジェロ達。だんだん斜面が急になり木々がなくなり岩場になって来たので、戦馬から降りて徒歩になって進んでいる。その中で山頂方向から複数の何かが飛んで来たのである。

「あの巨大な白い鳥はロック鳥だ。Cランク魔物だが、空を飛んでいるだけ厄介だぞ」

「訓練の成果をジェロマン様にお見せする良い機会だ。ぜひ我らだけにお任せを!」

盗賊のときと同様にいったんは任せることにしたジェロ。いつでも魔法は発動できるように待ち構えながら戦馬達と一緒にモーネを守るように岩場の陰に固まる。


飛んで来たのはロック鳥が5頭であったが、近づくまでにアルマティ、リスチーヌ、マドロール、レナルマンによる≪火槍≫、イド、ジョジョゼによる≪火炎≫、エヴラウルによる魔法効果のついた矢、コンスタンによる片手剣による武技≪飛斬≫が発動される。

ジェロが認識していた家臣達の習得魔法よりも上位のものを使用したり、コンスタンが両手剣ではなく片手剣を習得して武技まで利用したりするのを見て驚く。さらに驚いたのが、アルマティが≪飛翔≫で飛んでいることである。同志撃ち、フレンドリーファイアが怖いので、アルマティが囮となって誘い出したロック鳥には他者は攻撃を行わず役割分担をしている。

後は見覚えもあるやり方、イドが大盾、レナルマンが盾を構えて、ロック鳥が降下して攻撃してくるのを防ぎつつ、他のメンバが魔法や近接武器、もしくはエヴラウルの弓矢で攻撃となる。

銀級が3人、銅級が5人という冒険者ランクではあるが、魔法のことも踏まえるともっと上級の実力がついていそうな8人であり、銅級がCランク魔物と同等であることを踏まえると今回のロック鳥5頭にこの8人は余裕がある対戦であった。


倒した巨大な鳥からは魔石、肉や羽根などの素材が取れたのでありがたく食材にいただきつつ、家臣達の成長を褒めるのであった。

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