第408話 ニースコンでの帝国軍

「お前、勘当されて王子でなくなっただけでなく、懸賞金までかけられたらしいな」

食事を与えられる際に帝国兵に言われるギャストル。

「何だと!そんなわけが無いだろう!」

「いや、金貨30枚、具体的な話までまわって来ているぞ」

「何!そんなに安いわけがないだろう、コンヴィル王国の王子だぞ!」

「まぁお前を見ていたらそんな価値も無さそうだがな」

「何だと!雑兵風情が!」


そのやり取りの報告を受けている帝国少将のロルフ・ゲッツェ伯爵。

「はぁ、相変わらずだな、あの男。それだけ甘やかされて育ったということだろう。ということは、まだ見切りをつけられていない可能性もあるな。そうか、身代金の値切りというわけか。王子の身代金がそんなに安くならないからな。よし、もうしばらく捕虜として放置して値上がりするのを待つぞ」



一方、ニースコンの街中で。

「本当につまらねぇ街だよな。女は居ねぇし、居るのはジジイばかり」

「おい、親父、さっさと酒を持ってこいよ!」

「これ以上はお代が足りません」

「何だと!二等国民が。これで追加を出してこい」

「え、軍票ですか。これだと受け取ってくれない業者が多くて仕入れが……」

「何!ムスターデ帝国の軍票を蔑ろにするのか!表に出ろ!」


「兵隊様、ご無体をおやめ下さい」

住民への乱暴を司祭ヴァレールが割って入り止める。

「ち、司祭か。お前に免じてここまでにしてやる。くそ、別の店で飲み直しだ」


「司祭様、ありがとうございました。でも、我々年寄りなんて放置してモージャンに行かれたら良かったのに」

「いえ、女神様の神殿を残しては行けません。シスター達や孤児達は連れて行って貰えましたし、私1人でも何とか掃除などのご奉公は出来ますから」

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