第407話 最前線モージャン3

モージャンに駐留している派遣軍司令官ジルダ・ヴァランタン伯爵が、モージャンとニースコンのギルドマスターであるアンブリスとアンセルムに相談を持ちかける。

「このジュリユーも冒険者テルガニにかなり助けられたようだが、冒険者はやはりすごいのか?」

「まぁジェロマン・テルガニが金級冒険者で特殊というところもありますが。どうしてですか?」

「あぁ、ギャストル王子を勘当し、懸賞金として金貨30枚をかけたというのは知っているか?」

「はい」

「あれは、結局のところ身代金を払うのと同じではないのか?国王陛下も何だかんだ言って人の親なのか?」

「いえ、生死を問わずという話ですので、本当に懸賞金だと思われますが」

「そうか。ならば余計にだが、人質を無視してニースコン奪還に着手したい。正面から戦うだけでは元々戦力で劣る上に、国境間近であったからのニースコンの固い守りが邪魔でな。特にニースコンを拠点にしていた冒険者達に、からめ手をお願いしたい」

「具体的には?」

「正直わからん。残った住民と繋ぎをとるなどして城門を開けさせるのか、不審火を多発させて混乱させるのか。それを考えることも相談したいのだ」

「なるほど、かしこまりました。確かにジェロマン・テルガニが居ると便利だったかもしれませんが、今は居ないので。残った一般冒険者で出来ることを考えましょう」


「おい、副官!」

「はい、お呼びですか?」

「あぁ、こいつが副官のクレール・ラプラード子爵だ。おい、この冒険者ギルドのマスター達と、ニースコン奪還の作戦を考えろ」

「はぁ、また丸投げですか。かしこまりました」

「適材適所という奴だ。俺には向かんが、お前には向いている。な、ははは」

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