第389話 レジスタンス拠点

途中で馬車達に合流できたジェロは念の為に隊列の最後尾の上空を≪飛翔≫で見守っている。そのため視野も広く、以前は廃村だったはずの場所が賑わっているのを見つける。

「もうすぐ着くぞ!」


「何だ、お前達は!」

誰何に対して、ジュリユーが身分証を見せて説明し中に入れさせて貰う。この賑わいの規模であれば、確かに少々の帝国兵が攻めて来ても撃退できているのだと思える。

「この拠点をまとめておられるドナシアン殿にお会いしたいのですが」

ジュリユーの事前の希望にそって、代表者だけが面会に臨めることになった。雰囲気的に逃げられないことを悟ったジェロは、ムラン伯爵、カルカイム子爵、ジュリユー準男爵、と共にイドを連れて建物に入る。


「この拠点の代表のドナシアンです。コンヴィル王国騎士団の方と伺いましたが、様子が違いますね。って、お前はジェロマン。こんなところに何をしに来た?王都じゃないのか」

「ドナシアン殿、私は王国騎士団のマリユーグ・ジュリユー準男爵です。こちらはバルナタン・ムラン伯爵、ギャスタン・カルカイム子爵、そしてジェロマン・テルガニ子爵とその従士長イジドリック殿です」

「イジドリック、お前まで」

「ドナシアン殿、こちらのテルガニ子爵とその家臣の皆さんには我々は多大な恩がございます。昔の関係もおありかもしれませんが、どうか現状をご認識ください」

「ムラン伯爵でしたか、おっしゃる通りですね。これは失礼しました」

「いえ、差し出がましいことを申し訳ありません。早速で申し訳ありませんが、こちらの現状を申し上げますので情報交換とご相談をよろしいでしょうか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る