第388話 撤退戦
ジェロはジュリユー達の目前の帝国兵達に再度≪爆雷≫で範囲攻撃をしておき、息があったジュリユーを助け起こしながら回復魔法を発動する。
「テルガニ様、ありがとうございます。ただ、我らを残して逃げてください」
「そういうわけには行きませんよ。生きている人だけでも」
ジュリユーに騎馬として貸していた戦馬が単独で戦っていたのを呼び寄せてジュリユーを≪飛翔≫で抱えながら乗せる。
結局ジュリユーと一緒に戦っていた5人のうち、2人の従士は既に事切れていたようで、魔法の袋に収納できてしまった。他に倒れていた1人は収納できないので回復魔法により回復させた上で、自身の戦馬に乗せて逃げさせる。他に戦っていた2人もジュリユーと一緒に下がらせている。
ジェロは≪飛翔≫のまま再び≪夜霧≫と≪炎壁≫をヴァルと乱発し、後続を断つ。少し後退すると敵の魔法使いと戦っていた仲間達も相手を倒したようで、避難を開始できていた。
燃え上がっていた馬車に残された者は居なく、別の馬車に乗り換えたのだと思われる。
馬車の確認ができたところで、≪夜霧≫≪炎壁≫を抜けてきた帝国兵達が近づいてくるのが見えたので、再び≪夜霧≫≪炎壁≫を作りつつ、霧の中に≪爆雷≫を投げ込む。
仲間達がジェロと一緒に撃退に参加するというのを断って無理やり撤退させ、去って行くのを見届けながら、魔法の発動をしながら自身も少しずつ後退していく。
『もうだいぶ時間稼ぎもできたんじゃない?』
『もう良いか。ヴァル、ハポリエルもありがとう。俺たちもあの廃村に向かおうか』
ジェロは仲間達を追いかけてレジスタンスの拠点である、以前にアンデッド退治を行った廃村を目指す。
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