第377話 ゲンベランの街
ラーフェン王国に山道から潜入しているジェロ達は最初の街ゲンベランから通常の街道を通ることにしていた。
そのゲンベランにコンヴィル王国の使節団が捕縛されて連れて来られた情報は簡単に入手できた。馬車の数も多く目立つからである。しかしその帝国軍の拠点にほとんどの馬車が停まったままなのに、モーネ王女が乗っていた馬車だけが無くなっていた。
「ジュリユーさん、どうしましょう?」
分かれていた2班は念のために宿屋も別にしたが、目配せで冒険者ギルドに入りそこの食堂で近くに座って会話している。
「きっとモーネ王女殿下だけが王都ジークセンに。それ以外、外交官や王国騎士団員の方々はこのゲンベランで拘束されているのでしょう」
「正直、モーネ王女殿下も心配だが仲間の方が心配です……」
「分かりました。このまま二手に分かれましょう」
ジュリユーの側に居たイド達が立ちあがろうとするのを手で制する。
「あくまでも皆さんは見張りに徹してくださいね。私たち4人は王女殿下1人の救出だけなのと私が飛べるので、そちらはもし移動したら目印を、そうですね、魔法カードの真似の長方形の真ん中に魔法陣としての丸、を街道の木にでも掘っておいてください」
宿に戻ると自室にこもりハポリエルも呼び出してヴァルと相談する。
『ヴァル、ハポリエル、外交官のムラン伯爵たちがあの場所に居るかを見てこられるかい?』
『顔がわかるのは私だけね。ハポリエルも連れて行って顔を覚えさせるわ。ジュリユーたちの補助をさせたいのでしょ?』
『あぁ。皆に悪魔のことを教えると彼らの身が心配だからコッソリとな』
『奴隷契約の子だけにでも教えたら良いのに』
『いつか奴隷契約を解除することも考えると、な』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます