第367話 モーネ救出検討2
「ジュリユー、先日はダンビエのゴマスリ野郎が邪魔だったからあまり話せなかったが、今日はちゃんと聞いておけよ」
「はい!」
コンヴィル王国として、ラーフェン王国領土からムスターデ帝国兵を追い出すための派遣軍司令官であるヴァランタン伯爵が戦況などを改めて説明してくれる。
国王がラーフェン支援を決定されてすぐにこのニースコン、モージャンに派兵されて来たが、そもそもの戦力では帝国に劣っているので、積極的にラーフェン王国内に侵入することはしてこなかった。ただ、帝国側もコンヴィル側の将兵の集結を見て国境に兵を集め出した。
しかし、お前達の使節団の成果でルグミーヌ王国側でも国境に軍を寄せたおかげか、この廃村でレジスタンスが頑張っているのもあってか、国境付近でこちらへ向いている将兵は減った気がしていた。それが山越えをしてガニーに攻め込む結果になったのは想定外でガニーの者たちには済まないと思っている。どこぞの英雄様が陥落を防いでくれたらしいがな。
で、先日ラーフェン王国のオンハルト王太子が手薄になったことを知ったわけではないはずだが、この村を一時奪還した。しかし所詮は素人の集団、結局は周りの帝国兵が集結してきたのに蹴散らされてこちらに逃げて来て。こう街道を進んでいたギャストル王子達と合流、再び逃走、というわけだ。な、ジュリユー?
おそらく非戦闘員も含めて人数が多い使節団はここ辺りですぐに帝国兵に捕縛されたと思われる。モーネ王女は捕まっただろうから、ラーフェン王国の効率的な支配のために殺さず、この辺りを通って、王都ジークセンに向かっているんだろうなぁ。
ラーフェンのオンハルト王太子やうちのギャストル王子は、恥知らず達だから1人で逃げたことを恥など思わずにこのニースコン領主館に顔を出すはずだが来ていない。どこかでのたれ死んだか捕まっているのか。
外交官達も貴族だから人質としての価値があると思ってくれたなら殺されずにいるだろうが、王都ジークセンに連れて行くのか、帝国まで連れて行くのか、この辺りにいるのかわからないな。
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