第337話 モージャンのダンジョン挑戦2

「おぉ、本当に空があるみたいだ!」

洞窟のようなダンジョン入口を入って階段を降りたつもりなのに、目の前には草原が広がっている。

「そうでしょ!最初は皆さん驚いてくれるんですよ」

「リスチーヌさん、本当にびっくりしました」

「えぇ、全く不思議なことですね」

「所詮は地下1階、Eランクの角兎ホーンラビットやゴブリンばかりですが、周りにも気をつけてくださいね」

「ジェロマン様、9人の大人数で行動すると練習になりません。予定通り班分けをしましょう」

「あぁ、じゃあイド、そちらの班はお願いするね。夕方には宿で合流するということで」

「かしこまりました」


ダンジョン未経験だけでなく、まだ戦闘にも慣れていないアルマティを熟練のイド、レナルマン、コンスタン、リスチーヌが。このダンジョンを未経験だが戦闘力が一番あるジェロには、マドロール、エヴラウル、ジョジョゼが同行することになっている。


「ジェロ様、この階の地図によると、こちらの方向に下り階段がありますね。そちらに向かいましょうか」

「よし、マドロールの判断にまかせるよ。帰り道が分からなくならないように目印だけ気にしておこうね」

経験のあるエヴラウル、ジョジョゼはなるべく助言をしない。

『ダンジョンで迷子にならないように地図を書くのはゲームでも必須だったからな』

『どうせならもっと失敗して焦って私を頼ってくれるのを期待したのに』

『それは悪かったな』


マドロールには遭遇したゴブリン達と短剣で戦って貰っていたが、銅級というだけあり、見ていても危なげなく安心できる。ジェロもヴァルから刀の練習をするように言われたが、やはり怖いので魔法攻撃で魔物を撃退してしまう。

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