第338話 モージャンのダンジョン挑戦3
「ここが下への階段なんですね」
草原では目立つ岩の裏側に、下への階段があった。
「せっかくだから降りてみようか」
「えー、そんな。エヴラウルもジョジョゼも、教えておいてくれよ」
「いえ、助言は無とのお話でしたから」
残念なことに地下2階もまた同じように空がある草原であった。
「はぁ、残念。これなら昼飯だけ食べて、もう上に戻って出口を目指そうか」
「かしこまりました。この階段付近は上の階も下の階も魔物は寄って来ないようで、休憩に適しているんですよ」
魔法の袋に収納して来た弁当、それに対して火魔法も水魔法も使えるので温めたり、新鮮な水を飲んだり、ゆっくりと食事をとる4人。途中で別の冒険者パーティーが通っていくが、邪魔にならない程度に横にずれて座っていたので会釈だけしておく。
帰りも、遭遇した魔物に対してはマドロール達の魔法訓練の相手としつつ魔石や角兎の角や肉など素材も回収して出口にたどり着く。ジェロは≪飛翔≫の練習として、他人が近くに居ないときには少しだけ浮いて飛び続けていた。
イド達とは最初に別れた時に少し違う方向を互いに目指してから全く出会うことが無かった。
「ギルドで買った地図も正確だったようだね」
「地下1階はそうですが、下層になっていくと精度も不安になるそうですよ。だから、そういう階層の地図情報は高値で買って貰えるそうです」
「まぁそうなるか。さ、宿屋に向かおうか」
無事にダンジョンから出て気が緩んでいたところでヴァルが警告する。
『あの魔人から念話よ』
『何だって!』
「ちょっとそこで休憩しようか」
あまりに不審がられないようにエヴラウル達に声をかけて、ダンジョン外の休憩所に座り込む。
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