第335話 ガニーへの別れ

「まぁモージャンからガニーは、馬車で2日、早い馬なら1日程度だから、何かあればすぐに帰って来ればいい」

「メオンさん、ガニーの冒険者ギルドの事務仕事、本当にすみません」

「あぁジェロの後輩のリスチューもだいぶ成長して来たし、何とかまわっているから気にするな」

メオンが言うようにガニーとモージャンの距離程度ならばいつでも帰って来られると割り切り、モージャンに戻ることにする。


家臣達も家族に会うなど、必要な用事はいったん終わらせることができたようである。

「ジェロマン様、仕官させて頂いて本当にありがとうございました。貴族様の家臣に出世したと、家族達から尊敬されるようになりました」

「うちもそうです。やはり冒険者稼業はなんだかんだ不安だったようです」

「今度は結婚を急かされてしまいました」

「いや、こちらこそ皆ありがとう。私も育てて貰った孤児院で褒められたよ」


「そうだ、皆、モージャンだけでなくガニーにも拠点があった方が良いかい?家族に会いに来やすいし。でも普段はモージャンに居るなら空き家になってしまうか」

「そうですね、良いかもしれないですね。モージャンが本拠になるならば、小さめの屋敷でも良いですし。空き家の管理が心配ならばウチのに掃除させますよ」

「ウチの?あぁ、イドが尻に敷かれていたあの女性?」

「尻になんか敷かれていませんよ!まぁあの彼女なら任せても大丈夫かと」

「そうなの?正式に家政婦として雇われてくれるのかな?普段は何をしているの?」

「え?子爵家で雇って貰えるならば今の仕事なんて」

「あ、それならばウチのも」

「レナルマン、いよいよ身を固めるのか?」

「長期不在にしたから余計に心配させたみたいで」

「イドもレナルマンもならば、少し大きめの屋敷にして住み込みにする?金銭面は余裕があるから心配いらないし」

「ジェロマン様!ぜひご検討をお願いします」

「じゃあこれからも時々戻って来て場所や設計を相談しようか」

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