第316話 ベルカイム王国への途上3
結局、ギャストル王子やダンビエ子爵からは睨まれたまま使節団は、いったんの目的地であるモージャンを目指している。
モーネ王女たち以外との交流が少ないことを良いことに、ジェロは自身の魔法習熟や仲間たちの魔法訓練を進めることにした。
ジェロは新しく入手した王級風魔法≪爆雷≫や王級回復魔法≪王回復≫等の習得訓練を行いつつ、新しく仲間になったマドロールを中心に育成を行う。地頭の良さはあるものの、魔法の適性はエルフのアルマティほどではないようで、古代魔術に挑戦できる感じでは無かった。
そのアルマティには生活の糧とするためにも各種魔法を活用したポーション調合も教えてみると、こちらも飲み込みが早い。次に魔法が得意なリスチーヌも初級ポーションまでは調合できるようになったが、アルマティはそれ以上で中級ポーションが調合できるようになった。
魔法習得において多くの属性で上位の魔法を早く覚えられることを適正ありと仮定すると、ジェロの家臣ではアルマティ、リスチーヌ、マドロール、レナルマン、イジドリック、ジョジョゼ、エヴラウル、コンスタンの順になるようである。
前世知識もありヴァルたち悪魔とも契約しているジェロはさらにその上になる。風魔法を王級まで覚えてかなり自由に空気、風を操れるようになったジェロは思いつきを試してみる。
水魔法で氷を作る際に、物体を構成する原子や分子の運動を小さくすることで低温にするという知識に基づいて他者より強い氷魔法を発動していたのだが、風魔法も併用することで蒸発を促して気化熱によりさらに低温にするアイデアである。何度か試してみると効果があったようである。
『相変わらずジェロは面白いことをするわね』
『あぁ効率的な魔法を考えて成功するのは楽しいな』
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