第307話 司祭ディミトリ3
「テルガニ子爵、ありがとうございます」
「皆んな、よくお礼を言ってね。あと、みんなに集まるように声をかけて来てくれるかな」
「はーい。お客様、お菓子ありがとうございます!」
ディミトリの案内に従って講堂に向かう一行。子供達も順次集まっているようである。
「えーん、エル兄が押したー」
「押してなんか無いぞ!」
「あらあら転んで血が出ているじゃない」
転んで怪我をした子を見かけたのでジェロは≪治癒≫魔法を発動させる。
「うわー、お兄さん、ありがとう!」
「良いんだよ。気をつけるんだよ」
「はーい、ありがとう」
「申し訳ありません。ありがとうございました。しかし見事な回復魔法ですね」
「これも神殿で教わりましたおかげです」
「そうですか。ガニーはなかなか優れているのですね」
「皆んな集まったかな。今日はお客様にお越し頂いています。ジェロマン・テルガニ子爵です。ガニーの街の、デメテル神殿の孤児院のご出身で、こんな立派に立身出世されたのです」
「ジェロマンです。ご紹介されたほど立派かは置いておいて、孤児院で育てて貰い大人になることが出来ました。皆さんも勉強など頑張って立派な大人になって下さいね」
孤児たちの年齢は当然にまちまちであり、小さい子には貴族について良く分かっていないがある程度の年齢の子供達には、孤児院出身で子爵になったという話が信じられないという顔をしている。
孤児達のことが良く分かるジェロはディミトリに相談し、庭の広い場所に移動して、子供達に危なくなくて分かり易い魔法、≪土壁≫や大量の≪水生成≫、そして最後に≪飛翔≫を披露して、これら魔法の習得のおかげで立身出世できたことを説明する。
ここまですると子供達の顔からも驚愕や称賛の表情を感じられるようになりジェロも嬉しそうである。
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