第303話 言語研究

王都で少し落ち着いた時間ができたので、ジェロはヴァルに確認しながら、現代魔術語と古代魔術語について考察を深める。

以前にルグミーヌ王国の王都で、購入した書籍をきっかけに現代語、現代魔術語、古代魔術語、神代語について理解した。それを改めて振り返る。


初級の水魔法である≪水生成≫では、

・必要となる魔力量、例えば10だけを体内から集める

・放出した魔力を水属性に変換する

・液体としての水を生成する

の大きく3つの工程がある。

これをそれぞれ現代魔術語で表すと「dedicare(デディカーレ)-decem(ディチャム)」「conversion(コンバールショナ)-attribute(アッテリブート)-aqua(アクア)」「aqua(アクア)-generate(ジェネラテ)」である。


さらにこれを古代魔術語で表すと『奉納十』『変換水』『生成水』というように、文字自体に意味を持つため短くできる。

神代語になれば、それをさらに1〜2文字ずつ程度に短くできる言葉になるのだと想像される。


同様に≪種火≫は、現代魔術語では「dedicare(デディカーレ)-quinque(クウィンクエ)」「conversion(コンバールショナ)-attribute(アッテリブート)-ignis(イグニス)」「ignis(イグニス)-generate(ジェネラテ)」であり、古代魔術語では『奉納五』『変換火』『生成火』である。

改めて考えると、魔術語を踏まえると≪種火≫は≪火生成≫と呼んでも良いのではないか。


同じ理屈で、≪そよ風≫≪灯り≫はそれぞれventus-generateとlux-generateであり≪風生成≫≪光生成≫と呼んでみると、6属性それぞれが体系化できるのではないだろうか。

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