第304話 魔法体系検討
≪水生成≫から、≪種火≫≪そよ風≫≪灯り≫はそれぞれ≪火生成≫≪風生成≫≪光生成≫と体系的に置き換えられると考えるジェロ。
となると、土魔法の初級として覚えた≪砂生成≫arena-generateであるが、その後にも覚えた≪土壁≫「terra-murus」から推測される≪土生成≫terra-generateが本来の一般的な入門魔法だったのではないだろうか?
『そうね、土魔法に≪土生成≫というものはあるわね。ジェロならもう発動できるわよ』
というヴァルの言葉に押され、≪砂生成≫を参考にした現代魔術語の≪土生成≫を推測して唱えてみると、少ないながらに土を生む魔法を発動できた。
『練習すればもっとものになるでしょうね』
存在する魔法を推測して実現させたことが楽しくなってくる。
『じゃあ、6属性の最後、闇属性の生成魔法もあるよね。≪夜霧≫の現代魔術語tenabrae-magnaから、≪闇生成≫はtenabrae-generateかな?』
『その通りよ、やってみて』
既に習得した≪夜霧≫は最大で1パーティーほどを暗い霧で隠すものだが、1人を暗い霧で隠す程度の大きさになるようである。今のジェロが発動できたのは顔を覆うぐらいの大きさだけであったが。
調子に乗って、≪氷刃≫glacies-ensisから≪氷生成≫glacies-generateを推測して成功させる。
ここまでは現代魔術語による推測ばかりであったが、氷の古代魔術語もわかっているジェロは≪水生成≫の古代魔術語から『奉納十』『変換水』『生成氷』という、≪氷生成≫の古代魔術まで再現してしまった。
今日試したものはそれぞれ魔術語だけでなく魔法陣も、元になる魔法陣の当該箇所を置き換えることで実現することまで試した上で、それぞれの成果を研究ノートにまとめる。
プログラムで、構文は同じまま一部を変更することで各種応用をきかせるのと同様であり、もっと試したくなる。
そのためには、まだ未学習の魔術語、現代魔術語だけでなく古代魔術語を学習したいという知識欲がますます出てきた。
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