第302話 転移魔法

『せっかくなら小さめの家を買っても良かったのに』

『うーん。またしばらく遠くに行くのだし、ほぼ話す時間の無かった人、家臣か家政婦?を家に置いていくのは不安だよね。連絡も取れない遠くなのに。そこに自分宛の連絡が来たりするんだよね』

『あら、ハポリエルを使えば遠隔との連絡は簡単よ』

『え?あ、そうか。遠くで魔物狩りしているはずなのに、ヴァルのところに呼び出せるということは。あ、あれどういう仕組みなの?』

『召喚は異次元から呼び出すもので、一度異次元を経由すればこの世界での距離なんて関係ないのよ』

『え?テレポート?』

『人間が魔法で移動するならば空間魔法の≪転移≫などかしらね。私たちは本体が異次元にあるのにこの次元に一部分だけ来ているから、だいぶ仕組みが違うけれどね』

『それでも便利だね。どうやって位置を把握しているの?好きなところに行けるの?』

『そうね、ハポリエルはジェロや私の位置を目印にとんで来られるのだけれど、行ったことがあるなど座標がわかっていれば行けるわよ』

『遠くの人に伝言したり物を届けたりするのに便利だね』

『悪魔の存在を知られて良いならね。絶対に命令をきく奴隷なら良いかもね』

『うーん、難しいね。それにしても、それならばヴァルはハポリエルみたいな眷属を増やすといろんなことが出来そうね』

『ジェロが次々と契約していっても同じことだけどね。ジェロはお金がたくさんになったから、奴隷をたくさん雇えと言われてどんな感じ?ちょっと違うけれど眷属を増やすのもそんな感じかな。眷属を増やすのを頑張っているのが居ることも否定はしないけれど』

『うーん、何だかなぁ。ごめんね、変なこと言って』

『ジェロが必要になれば、それに応じて奴隷も、場合によっては契約悪魔も増やせば良いのよ』

『まだ今の人数でもいっぱいいっぱいだから、想像がつかないな』

『まぁ、追々で良いのよ』

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