第292話 アナトマ商会へ帰還報告

いったん宿に顔を出した後は、家臣たちも班分けして消耗品の買い出しや武具の手入れなどに分かれる。

ジェロはレナルマン、リスチーヌとアルマティの3人とアナトマ商会に向かう。


「やはりアナトマさん、リリアーヌさんはモージャンに戻られていましたか」

「はい、しかしテルガニ卿がお越し頂いた際には最上のご対応をさせて頂くよう申し使っております」

「ははは、アナトマさんらしいですね」

言葉に甘えていくつかの仕入れと調合したポーションの納品をする。

「こんな高級なポーション、いくら王都でもなかなか入手できません。貴重な物をありがとうございます。ちなみに、こちらはご興味おありでしょうか。アナトマの指示で探し求めていたものになります」

≪石球≫の古代魔術の魔法カードであった。手元資金は潤沢になったのでその魔法カードを購入しただけでなく、魔法の収納袋、3m×3m×3mの腰袋を購入する。既に渡してあるアルマティ以外の家臣たち6人用である。


その後は冒険者ギルドに戻って魔法カードの在庫や図書室の魔導書などを確認し、いくつかの魔道具店や武具店でも目新しい物を探したが、購入できたのは現代魔術の中級風魔法の≪風盾≫≪強風≫の載った魔導書のみであった。これらはそれぞれ、矢などの軽い物体から身を守る盾を作り出すものと、直接ダメージを与えるというよりふらつかせるものである。

消費した薬草や薬瓶も購入しておき、その日は宿に戻る。


翌日は王国魔術師団の拠点に向かうにあたり、ついて行くとごねるリスチーヌ達を説得し、前日のメンバとは入れ替えて各自の用事を済まさせることにした。そのためついてくることになったのは、イドとコンスタンである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る