子爵になったギルド職員

第291話 王都冒険者ギルドへ帰還報告

「ジェロマン様、陞爵おめでとうございます!」

馬車付近で待機して貰っていた家臣たちに謁見の間での出来事などを共有する。そして、まだ冒険者ギルドの職員の立場ということを踏まえて、本部幹部のザールに会いに行く。


「これはテルガニ男爵。パレードでのお姿は拝見しておりましたよ。いよいよギルド職員を辞める話ですかね?」

「ザールさん、からかわないでくださいよ」

ルグミーヌ王国での経緯や王都ミューコンに帰って来てからの話を説明する。

「ほぉ、魔人と吸血鬼の死体か。コンヴィル王国の魔術師団も欲しがっただろうし、この冒険者ギルドでも高く買い取っただろうが、まぁルグミーヌ王国の魔術師団に恩を売り貴重な魔導書を見られたのなら良いか。それよりも子爵陞爵と、ベルカイム王国へギャストル王子もか」

「まずかったですかね」

「いや、仕方ないな。すぐにここに来たぐらいだからまだギルド職員を継続するつもりなんだよな」

「もちろんです」

「じゃあ引き続きギルド本部の幹部から本部付け職員にアドバイスだ。この王国、王太子と第2王子までは正妻がいらっしゃるのに、第3王子が結婚されていないのは、了承するという娘親が居ないからだ。いくら王族相手でも、というぐらい扱いに困る王子だ。女癖もかなり悪いらしい。しばらく国内視察と称して旅行して不在だったのに帰って来ていたか。道中ではなるべく距離を置いて接した方が良いぞ」

「ご助言、誠にありがとうございます」

「で、この戦争の正義は分かったのか?」

「いえ、ルグミーヌ王国でもムスターデ帝国が暗躍して住民の命を軽視していたことは分かったのですが」

「ならば、なおさらベルカイム王国への外交使節団に入るのが良いだろうな。あまり王都に居る日数も無いだろうが、またギルド近くの宿を用意しておいてやろう。ちゃんと馬車も停められるところだ」

「ありがとうございます」

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