第288話 ベルカイム王国への使節団
ギャストル王子の割り込みがあったが、ルグミーヌ王国からの帰還報告とベルカイム王国への出発についてある程度の話が終わり別室に戻って来たジェロたち。
「テルガニ男爵、いや子爵、おかげで我々にもお褒めを頂くことができた。感謝するぞ」
「いえ、ムラン伯爵、皆様。本当のことですので」
「いやいや、これからも頼むな。しかし、あの王子が同行に決まったか……」
「どういう方なのですか?」
「まぁあのようなお方だよ。あ!モーネ王女殿下、申し訳ありません」
「いえ、私は滅びかけた王家の王女。王子殿下のお言葉のように、お力をお借りしに参った身ですので」
「とりあえずモージャンまで時間稼ぎは出来ましたので……」
「おそらく兄は交換条件を求めつつ了承するかと」
「そこで、国家間の揉め事に発展しなければ良いのですが」
皆が黙ってしまっていたところに王国魔術師団長のジルベール・ラロシェルが入室して来る。
「先ほどはお疲れさまでした。また陞爵された皆様おめでとうございます」
「は、ありがとうございます」
「事前に伺っていた話では次のベルカイム王国への使節団も、今回と同様をご検討とのことでしたが、魔術師団員の参加者は見直しをさせてください」
「まぁ王子殿下が加わられるならばなおさらですな」
「ムラン伯爵、その通りでございます。また改めてご報告いたします。テルガニ子爵、お忙しいところ恐縮ですがまた明日に魔術師団の拠点までお越し頂けますか?」
「かしこまりました。お伺いいたします」
「では皆様、お邪魔しました」
相変わらず腰が低い魔術師団長が退室していく。
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