第283話 飛翔魔法
ジェロはさらに取り組んでいた魔法が≪浮遊≫と≪飛翔≫である。これはルグミーヌ王国の王国魔術師団の秘蔵魔導書から学んだ風属性の上級と王級の魔法であり、人間が空を飛ぶものになる。
『ファンタジーの定番魔法の1つだから、気分が盛り上がるね』
『私はいつでも飛行できているから』
『羽、翼の無い人間にしてみたら夢の話なんだよ』
≪浮遊≫というのは宇宙飛行士が無重力状態でふわふわしていることを最初にイメージしてみたが、本当の無重力状態の場合では勢いをつけて押すとそちらの方向にそれなりの速度で飛んで行ったりするがこの魔法はそうならないため、風船をイメージすることにした。ふわふわとしていて、強く押してもその向こうの空気抵抗があって強くは進んでいかない。風船の中のヘリウムの量が減って来て、部屋の中で適当にふわふわしているイメージがちょうどあっていたようで、自分自身がふわふわ浮かぶことを実現することができるようになった。
続けて≪飛翔≫に取り組む。
こちらはまさにアニメなどで自由に飛び回っている姿のイメージではあるが、練習する機会が少ない。≪浮遊≫は室内でもできたが、こちらはどうしても人目についてしまうからである。仕方ないので夜間に≪夜目≫も併用して飛行訓練をすることになったので、翌日には寝不足姿を皆に見られていぶかしく思われてしまった。
「何かお悩みのことでもおありですか?寝られないのであれば添い寝いたしますよ」
「リスチーヌ、単に魔法訓練に励みすぎただけだから大丈夫だよ」
「……無理をなさらないでくださいね。いつでもお申し付けくださいね」
『ユゲットというライバルも出て来てリスチーヌはますますアピールしてくるわね』
『そのうちもっといい男を見つけるよ、きっと』
『(自分がそのいい男と思わないのかね……)』
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