第271話 使節団の今後3

王女達との相談が終わった後の、ルグミーヌ王国との交渉などは外交専門家のムラン伯爵達に任せることにして、早々に宿屋に逃げ帰ってくる。


「ジェロ様、お帰りなさいませ。王城はいかがでした?」

アルマティの冒険者登録等をお願いしていたリスチーヌ達とも合流し、王城で話し合った今後について共有する。

「つまりジェロマン様と私たちはいったん王都ミューコンに帰り、その後は引き続き王女達と共にベルカイム王国に向かうことになるのでしょうか」

「たぶんそうなるだろうね」

「ジェロマン様、ムスターデ帝国と戦争を行う決心はつかれたのでしょうか。この戦争の正義など迷われていらっしゃいましたが」

「うーん、まだ分からない。けれど、コンヴィル王国のモージャン付近のオークダンジョンやここルグミーヌ王国の王都アーレア付近のアンデッドなど、後方撹乱にしても帝国のやり方は現地住民の命を軽視しているとは思う。ただ、まだ積極的に攻め入る気持ちにまではなれていないのが正直なところかな」

「であれば判断のための情報収集を続けるためにも、なおさらベルカイム王国への外交使節の護衛を継続というのは良いのではないでしょうか。我々はジェロマン様のご判断に従います」

レナルマンの言葉に気持ちの整理も出来たジェロ。


「ところでリスチーヌやアルマティの方はどうだった?」

「はい、私の銀級冒険者への昇格手続きと、アルマティの木級冒険者登録は無事に出来ました。武器の向き不向きの選定の前に、ある程度は動いてもエルフの特徴の耳が出ない服装を探しに行きまして、こちらの頭巾を含めた彼女の衣服を買いに行きました」

「へぇ似合っているじゃないか。軽めのターバンみたいな感じかな。これだと万が一フードがめくれても耳が出ないかな。汚れたときの替えもあった方が良いだろうね」

「はい、いくつか購入済みです。その後にいくつかの武器を試してみました。今までに縁が無かったのでそれほど大きな武器は扱えないとは分かっていたのですが、やはり片手剣までが精一杯でした。また、軽めの弓矢ならば扱えるようでしたので、片手剣、短剣、弓矢を購入してきました。残金はこちらになります」

「皆、折を見て色々と教えてあげてね。移動もあるし、まずは乗馬からかな」

「かしこまりました」

「皆様、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします」

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