第269話 使節団の今後
モーネ王女達は含まれない、コンヴィル王国メンバだけの少数の場にジェロが呼ばれたようである。外交官の正使ムラン伯爵、副使カルカイム子爵、護衛隊長のジュリユー騎士爵のみであり、同行して貰ったイドとレナルマンは別室にて待機して貰う。
「良く来てくれたな、テルガニ男爵。昨日は色々とお疲れだったが休めたか?」
ムラン伯爵からねぎらいの言葉をかけられる。
「今後の方策について、今回の立役者であるテルガニ男爵の意見を聞いておきたいと思って、な」
「私は冒険者仲間とアンデッド退治をしていただけですので。あ、こちら魔物討伐報酬の分配になります。騎士団の皆様でお分けください」
「え?こんなには」
「いいえ、ジュリユー騎士爵。皆様のおかげで我々は無事に館にたどり着き、その館内での敵に専念できたのです。逆に少ないかもしれませんが、どうぞお納めください」
「ありがとうございます。皆も喜びます」
「魔物退治もそのようであるように、今回のルグミーヌ王国の協力合意は、モーネ王女殿下、ヒルデリン王子殿下が自ら足を運ばれて、ムラン伯爵、カルカイム子爵が交渉されたことが主体です。ルグミーヌ国王陛下の前での私の発言などまともに無かったことが証跡です」
「ふむ、上手いこと言うものだな。では護衛ではあるが使節団の一員としての意見を聞かせて貰えるかな」
「かしこまりました。ちなみに、現段階ではどのようなお話になっているのでしょうか」
カルカイム子爵が概要を教えてくれる。
大きな選択肢として、いったん王都に戻るか、このままどこかに向かうか。後者の場合にはラーフェン王国に侵入して戦闘をするか、さらに他国に行き味方を増やすか、である。
しかし、このままラーフェン王国に攻め入るには、王女達という御旗はあるものの、ルグミーヌ王国の戦力を足してもムスターデ帝国と戦い続けるには不安がある。特にラーフェン王国の王都はこのルグミーヌ王国からは遠いので、モージャンやニースコンの部隊との連携も難しい。
どの案にもメリットとデメリットがあり悩ましく相談中である。
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