第268話 見習い冒険者

昨夜は魔法訓練をしなかった分、朝のトレーニングはしっかりするジェロ。特に日本刀の二刀流は先日のスケルトンやゾンビへの実践も思い出しながら、臨機応変を意識する。高級宿屋でのメリットの一つである朝風呂も今日はしっかり味わった後に、皆で朝食にしている。アルマティにも同席するように指示している。

「アルマティはしっかり寝られたかな?」

「はい、リスチーヌ様が心配して一緒に寝に来てくれました」

「あー!言っちゃダメって言ったでしょ!」

「ご主人様からの確認でしたので」

「あ、アルマティ。ご主人様とかの表現はやめて欲しいな。みんなと同じようにジェロ様かジェロマン様に」

「かしこまりました」

「あー、じゃあ私もリスチーヌ様ではなくリスチーヌさん、にして」

「あ、俺も」

「私も」

「じゃあアルマティ、皆には、さん、にしてね」

「かしこまりました」

「あと、奴隷契約のことを他人には知られないようにしてね。そのために単なる使用人のそぶりをして貰おうか」

「いえ、戦闘力が無くても問題ない使用人を雇用したとなると他にも成りたがる人が居そうで。ついてくるには戦闘力が必要と思わせるためにも見習い冒険者が良いかと」

「そうか、ユゲット様たちのことかな。確かに、冒険者が良いかも。リスチーヌ、冒険者ギルドで銀級への昇格手続きをする際に、一緒に連れて行って新人登録させるのと、扱えそうな武器を選ぶのを手伝ってやってくれるか」

「はい、お任せください。彼女の着替え等の追加調達もしたいのでジョジョゼも一緒に行きますね」



とりあえずアルマティのことが決まったので、今日は魔道具店で魔導書探しをしたり、入手した死霊魔法の魔導書を読み込んだり出来るかなと思っていたところへ、王城からの呼び出しが来る。

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