第244話 アンデッド討伐2
「ギルド職員でもある身としてはお仕事を増やして誠に申し訳ないのですが」
と形ばかりに前置きをして、翌朝に冒険者ギルドで大量のアンデッドのなれの果て、つまり骸骨や腐敗した死体を言われたところに並べる。
「ちょっと待ってください、この数は想定外です。さすがに腐敗した死体がここまでだと後の処分に困りますので、墓地に行きましょう」
と、ゾンビだけでなくスケルトンのなれの果ても、王都のはずれの墓地にある開けたところで並べることになった。
「普通は討伐証明だけだったりするのですが、流石ですね。巨大な魔法の収納袋をお持ちなんですね。冒険者ギルドとしても住民の皆さんに知り合いが居ないか確認する機会を設けることができてありがたいです」
墓地で取り出した死体の数をギルド職員に数えて貰った後にギルドに戻ると、自分たちのことを受付嬢に訴えている声が聞こえて来た。
「おい、あいつら何とかしてくれよ。最初はたくさん狩っているな、自分たちも安全になるから助かる、と思っていたのだが、あそこまで大量に狩りをされると俺たちの仕事が無くなる!」
「冒険者の狩場について制約はありませんが、そのような声があったことだけはお伝えしておきます」
「いえ、聞こえておりました。申し訳ありませんでした」
「ジェロマンさん、もし可能であればもう少し奥でマミーの討伐をして頂けるとありがたいのですが」
「皆さんのご迷惑にならないように次からはそちらに向かいますね」
「……すまねぇな」
「いえ、こちらこそすみませんでした」
宿屋に帰り、官僚達に実際にアンデッドがたくさん居た状況を伝えて睡眠をとる前に食事にする。
「ジェロマン様、あそこは譲らなくても問題なかったのでは?」
「この国にムスターデ帝国に対する共同戦線を頼みに来ているので、下手に出るに越したことは無いでしょうから。ただ、敵の強さもあがりますので、皆さん気をつけましょうね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます