第243話 アンデッド討伐

宿屋には初日ということもあってか、官僚だけでなくユゲット達も来ていたので、

「魔物が増えたのは確かなようですが、そこまで切迫しているか不明です。自分たちでも討伐に行ってみます」

「どうか無理をなさらずに、お気を付けください」

との会話をし、夜に備えて仮眠をとる。


夕方になる前に、今回の目的であるアンデッドが発生しているという森へ戦馬バトルホースに騎乗して7人で移動する。流石はバトルホース、という速度をまともに体感することができ、思っていたよりも明るいうちに到着することができた。

「こいつらすごいですね。これでCランクの魔物だから戦闘もできるというのだから」

「せっかくなら、今日の敵ぐらいならば簡単に蹴散らすところ、一度見せて貰っておこうか」

「いや、魔法を覚えた自分たちの実践訓練にもしてみたいぞ」

「じゃあ、競争だね」

意味が分かると言われているバトルホースはブルルンといななきにより戦意を示したようである。


『俺はみんなの様子を見ておけば良いかな』

『そうかもしれないけれど、せっかくならばこの刀の二刀流の練習でもしたら?』

『近接武器なんて使うことが無いならそれに越したことは無いのだけど』

『将来に何かあったための訓練と思って、毎朝のトレーニングと一緒よ』

『分かったよ』


その夜は、本来は魔法使いのジェロが日本刀の二刀流の訓練を、元々片手剣や両手剣などを主体としていたイドたちは魔法の訓練を、そしてバトルホースたち9頭すべてが自身の戦闘力のアピールのために、スケルトン、ゾンビを大量に狩るのであった。本来は魔石だけで討伐報告すれば良いのだが、数が多くて信用されない可能性もあり、魔法の収納袋にすべての遺体を入れて持ち帰ることにした。少しだけ服装や装備がある死体もあったので、街の誰かの知人の可能性も考慮して、でもある。

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