第242話 ルグミーヌ王国の冒険者ギルド本部2
ある程度の状況を把握できたあとは、この本部での魔法カードの在庫の確認と魔導書の書庫の閲覧を申し入れる。
ここでの魔法カードは、ジェロがガニーの街で作成したような木枠があるわけではなかったが、種類ごとにきちんと整理されていた。おかげでジェロが未修得の魔法が上級回復魔法≪上回復≫の現代魔術版しか無いことがすぐにわかったが、それ以外の魔法カードでも国や文化が違うからかコレクション要素としては面白い物もあったので、大量購入をしてその資金力に対してギルド職員に驚かれる。
続いて図書室を閲覧させて貰ったところ、期待していた古代魔術の物は無かったが、未修得の中級闇魔法≪夜霧≫の魔導書があったため研究ノートに必要部分を転記する。これは最大で1パーティーほどの範囲を暗い闇で隠すもので、昼間にやると逆に目立つ魔法である。夜間の隠密行動などに期待できそうだが、自身にその機会がまわってこない方が良いなぁと考えてしまう。
受付の近くに戻り、どのような依頼があるかを確認していると、確かにアンデッドの討伐依頼が多い。ただ、近くの森でのEランク魔物である骸骨(スケルトン)、Dランクのゾンビ、Cランクのマミー、ゴーストなどであり、Bランクのレイス等の依頼は見当たらない。他の街でもよくあることであるが、魔物の数が多いときには常設依頼になっており、事前に受注しなくても討伐後に報告するだけで良いことがある。今回もそのタイプであった。その他に薬草や魔物の部位などの素材採取や人探しなどの依頼もいくつかあったが、他の街でも見かけるものでありあまり意識に残らなかった。
いったんの成果はこれまでと考え、適当に魔道具店などで薬草や薬瓶を仕入れつつ高級ポーションを販売する等も行ってから宿屋に戻り、コンスタンたちと合流する。
彼らが街で仕入れた情報でも、切羽詰まった感じは無いものの魔物が増えて来ていることでの流通の停滞が少し聞こえているようであった。そのため、冒険者なら素材の仕入れをして欲しい、や、どこそこの看板娘が行方不明で探して欲しい等の話を言われたようである。
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