第239話 ルグミーヌ王国の王城3
結局宰相からは、この国は魔物が増えていてその対処に追われているため、国の外に目を向けられないとのことを簡単に説明されただけで終わってしまい、それで退席されていった。
「うーん、なんだったのだ、今のは」
「帝国との開戦を約束するのを逃げるための言い訳をそれっぽくするための芝居なのか、本当に魔物に困っていることを他国に説明することが恥と思っているのか」
「いずれにせよ、結局は街に出て調査するしかないな。お前たち頼むぞ」
正使、副使であるムラン伯爵とカルカイム子爵が官僚たちに命ずる。
「テルガニ男爵、私とヒルは王城から出ることはかなわないでしょうから護衛任務は結構です。ぜひユゲットさんとジャクロエさんを伴って街に出て色々とその目で見て来て貰えないでしょうか。冒険者の皆様の目線ならではのお話もあると思いますので」
「王女殿下、それは助かります。男爵、しっかり頼むぞ」
「かしこまりました」
慣れない王城で暇をするよりも、魔法が進んでいると言われている国での、魔導書や魔法カード探しもしてみたかったジェロにしてみると渡りに船である。
相談した結果、王女、王子、伯爵、子爵とその使用人たちと護衛隊長の騎士爵・その従士だけは王城に割り当てられた部屋で、その他の騎士団員、魔術師団員、官僚たちとジェロたちは街の宿屋に宿泊することになった。ジェロは捜査状況などを官僚に共有すると彼らが王城に報告に行くというありがたい連絡体制になる。王女達への報告に関しては官僚の代わりにユゲットが王女達に連絡することもある。
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