第240話 ルグミーヌ王国の王都

まずは王都での宿屋、使節団員の数が多いので複数の宿屋に分かれたのだが、ジェロたちは自身の宿泊するそれなりに高級な宿屋に馬車などを預けに行き、長期滞在の費用を官僚たちが支払ってくれる。

その後は、いったん街の調査という名の自由行動に移る。


イドたちから目立ちすぎてもいけないので、と全員での行動は避ける了承は得られたが、結局ジェロはイドとレナルマンとリスチーヌという4人行動になってしまった。コンスタン、エヴラウル、ジョジョゼの3人もいったんは揃って、買い出しや調査を含めた街の散策に向かう。


「エルフって見かけないですね」

「ジェロ様、ですね、ではなくて、な、ですよ。でも、そうですね。私も少し期待していたのですが」

「ま、この山間の国、その森の奥に棲むと言われているので仕方ないですかね」

街中を歩きながら、まずは冒険者ギルドに向かうジェロたち。その道中でも、期待していたエルフを見かけないので残念に思う。


冒険者ギルドに到着すると、昼間ではあるがそれなりの人数がギルドに居たので、

「なんだ、別に魔物に困っている気配も無いのかもね」

「ただ、人はいるけど何となくピリピリしている感じもあるな」

とこそこそ話をしながらカウンターに向かう。ここでも美人の受付嬢なので少し照れながら

「コンヴィル王国の冒険者ギルド職員のジェロマンと申します。少しお話を伺いたいので、上役の方をご紹介いただけないでしょうか」

と身分証明カードを見せて話しかける。

「ご丁寧にありがとうございます。かしこまりました。ご案内いたします」

と応接室に案内されて、そこで待つように言われる。


「我々がそのような応対はしますのに」

「いえ、ここでは貴族ではなくギルド職員としてお話ししたいので、これで」

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