第235話 道中の訓練2

家臣たちへの魔法訓練の結果として、人には属性に関して向き不向きはありそうなこと、魔法の習得にはスクロールや魔法カードによる魔法発動のイメージ把握、触媒による魔力の属性変更の支援が効率的であることが分かった。そのため、魔法カードの普及に伴いすたれて売れ残っているスクロールを途中の街では安く買い求めた。

もちろん、ジェロ自身が未修得魔法の魔導書や古代魔術の魔法カードも探していたが、王都ほど品揃えが良いわけでは無いので、結果として見つけられた魔導書は光属性の中級魔法である≪光爆≫≪照明≫≪望遠≫の3つが現代魔術として載っているものだけであった。それぞれ、目くらまし、家一つ分ほどを明るく、遠くを見るというものである。

そして魔法カードになるのはやはり攻撃魔法が多いからか、古代魔術の魔法カードとして新規入手できたのは≪風刃≫だけであった。


一度、家臣たちにも古代魔術を教えようとしたが、魔術語の難易度が違うのもあってか、レナルマンとリスチーヌ以外からは難しすぎと言われ、抵抗感の少なかった2人も習得には至っていない。


ジェロ自身も道中で訓練することで、王都以降に入手できた新しい魔法や、古代魔術について習熟するとともに、日本刀の二刀流についてもイドたちを相手に模擬戦をしながら慣れて行った。途中で騎士爵やその従士たちともジェロたちは交流して一緒に訓練することで親交を深めることができた。ジェロに明確なアプローチをしているリスチーヌは除外され、自然体でいたジョジョゼが彼らの身近な女性としてモテていたのは余談である。

交流の中で騎士団員たちはジェロの日本刀について魔剣であることに気づいて話しかけてくる。彼らでも今回の護衛隊長マリユーグ・ジュリユー騎士爵だけが魔剣を所有しているが、羨ましいとの会話に。もちろんイドたちも一流の証として魔剣が欲しいとの会話を横で聞いたジェロは、今後は街の魔道具店や武具店で魔剣も探してみることを考えるのであった。


一方、ジェロたちが魔法訓練もしていることに気づいた魔術師団員のクシミニク、バスチューは自分たちも魔法訓練に混ざりたい顔をしていたが、クロヴォンに遠慮したのか最後まで参加してこなかった。

そのクロヴォン本人は、ユゲットへアプローチを続けたものの上手くかわされるだけであり、そのユゲット自身はジェロへ攻勢をかけ続けるので、ますますクロヴォンからジェロはにらまれるのであった。

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