第223話 王国魔術師団との顔見せ3
顔見せなどの用事も終わり図書室に向かう。
「皆も適当にしておいてね」
と声だけかけて、ジェロは≪魔法消滅≫の魔導書を探す。
『例えば相手が≪結界≫を発動していても、その≪結界≫を消滅させたりできる魔法よ。相手の暫定的な魔法を消滅させられるのだけど、その消滅する対象の魔法への理解、自分も発動できるぐらいの知識や、相手がその魔法に消費した魔力以上の魔力が必要よ。魔法戦闘の場合には、相手の魔法の属性より優位な属性の攻撃魔法を使ったり、これら2つの魔法を使ったり、が多くなると思うわよ』
『それは重要だね』
『そういう意味では、≪魔法消滅≫で消されないように現代魔術ではなく古代魔術の魔法も色々と覚えた方が良いわね。この図書室にはどのくらい古代魔術の魔導書があるかしら』
皆にも手分けして探して貰った結果、≪結界≫以外に≪火球≫≪火炎≫≪水球≫≪氷刃≫の古代魔術の魔導書を見つけて研究ノートに転記を行えた。
『≪結界≫の古代魔術は価値が高いわね。≪魔法消滅≫してきそうな壁系の≪炎壁≫≪氷壁≫≪土壁≫なども欲しかったけれど』
『また機会があれば勉強に来ることにしよう』
出発は翌々日であり、翌日は丸一日予定が無いため、王都の外へ魔法練習に向かうことにした。ジェロ自身は新しい魔法を色々と試したいこともあるのだが、冒険者ギルドの練習場や王国魔術師団の練習場では目立ちすぎるためである。
同行する家臣団も自身の魔法練習にちょうど良いこともあり、郊外で少し開けた場所でありながら木々で人からの目線が無い場所を見つけ、ほぼ一日中、魔法練習に明け暮れることになった。お金に余裕があるので魔力回復ポーションも買いあさることが出来る上に、薬草さえあればジェロが調合できるため、魔力不足による練習中止はないので効率的な練習を行うことが出来た。
「よし、一通りは習得できた。明日からは人の目もあるし、護衛業務だから無理はできないから良かった」
移動の際に見つけた木々の間にある薬草は消耗したポーションのためにも採集して魔法の収納袋にしまってある。
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