第215話 魔法指導
宿に戻ったジェロは家臣となったイドたち6人と向き合う。
「極論すると、中堅冒険者として武技が使用できる皆は既に魔法使いの基礎はあるはずで。これも魔力を用いて効果を出すものだから、魔力操作は習得済み。そこで、その魔力をこの魔法発動体の杖に集める練習をしましょう」
「ジェロマン様のように指輪でなくていいのですか?」
「そうですね、慣れれば邪魔にならない指輪でも良いですが、今は武器と同じく利き手で握る方が分かりやすいかと。うまく行かないようであれば、このように空になった魔石に魔力注入をする練習をすると、見た目に色がついて来てわかりやすいですよ。これを何もないときにも訓練していると魔力の増加にもつながります」
孤児院の子供たちにあげるために持ち歩いたままの空の魔石を皆に渡すと、早さに程度の差はあるが、全員が無色透明から少し紫色にすることは出来た。
「やはり魔力操作はできたね。では次は魔術語です。≪水生成≫の魔術語はこちらです。私が一度実践するのでよく見ていてくださいね」
用意した器の上で少量の水を発生させる見本を、わざと詠唱して見せた後は、杖を持たせた全員にその魔術語を唱えさせる。流石に一回のみで成功するとは思っていないが、魔術語を覚えるのに皆が苦労しているようである。大量購入していた紙に≪水生成≫の魔術語を記載し、読み方も再度伝えて練習をさせる。
「意味も分からない言葉をいきなり覚えるのは難しいな」
「日ごろ使わない音だしね」
『前世でも、英語など他国語を覚える機会があることが普通である感覚があったけれど、この世界では知らない言語を覚える機会も少ないからそういうものか』
『そうね、この辺りは言語が共通だから生まれ育った言語以外を使うなんてね。読み書きが不十分な者も一定数は居るからね。ジェロがすぐに魔法を習得できるのにはそういう素地の違いもあったのかもね』
「わかりました。では、魔術語の基礎からお話ししましょう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます