第166話 王都へ再出発
≪土壁≫の応用で街道から離れた平原に作った穴に10人の死体を入れた後に土をのせて周囲と違いがわかないようにしておく。街道での≪土壁≫等の跡も消すことで、この周辺で戦闘があったことは自分たちですら分からない状況に戻してから、王都への旅を再開する。
すでにジェロの魔法に慣れてきた“ジェロ班”の冒険者たちは新しい土魔法や水魔法に驚いた程度であったが、それ以外の同行者の反応はまちまちである。
「アナトマ様、彼らはあれほどだったのですか?オーク数匹への対応をされたとは聞いていましたが」
「私は助けられたときに気を失っていたので。ただ私の大怪我を治せたので回復魔法として頼りになる使い手なのは確かだったのだが」
「私が助けられたときに火魔法を使われていましたよ。オーク4匹を次々と倒されて。ジェロ様、流石ですわ」
「あぁ、何とかジェロ様とのつながりは今後も深めていかないと。リリー、頑張るのだぞ!」
「えぇ、お父様、任せておいて!」
「ユゲット様、彼らは、というよりジェロという者は……」
「そうね、お父様からは、以前にもかなり強力な相手を撃退したと聞いていましたけど。詳しく聞いておけば良かったわね」
「味方なんですよね?」
「少なくとも王都までは。ただあの力なら、王都についた後はどこの誰に取り込まれるか分からないわね」
「モージャンのためにも注視が必要ですね」
『また目立ってしまったわね』
『あぁ、どうしよう』
『ま、あのままやられて誰かが怪我するのも嫌でしょう?』
『それはもちろん』
『今回の追手も消息不明にしたのと、もともと騎士団を追いかけているようだから、これから少しは安心していいのかもね』
『ちょっとだけ期待したいね』
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