第159話 アナトマ商会の護衛

モージャンに再び戻ったジェロとイドたち冒険者の7人は、冒険者ギルドでギルドマスターのアンブリスに面会する。

「とんぼ返りですまなかったが、ガニーで知り合いには会えたかな。早速ですまないが領主館に向かって欲しい。領主様が用意された女騎士2名と対面だ」


途中でアナトマ商会のところにも寄り、今回の王都への商隊に参加するメンバ、父アナトマ、娘リリアーヌ、護衛のオーレッド、シプリック、アロイーズの5人と軽く顔合わせして合流し、一緒に領主館に向かう。

「もしかして?」

「はい、この護衛3人は以前にオークから助けて頂いたときの生き残りになります。以前からうちの商会の護衛をして貰っているベテランです」

「オーレッドです。あの時にはガニーの街の皆様に、我々の命も助けて頂いたようなものです。ありがとうございました」

「フン、俺たちだけでも大丈夫だったさ」

「シプリック!すみません、こいつはシプリック、あっちの無口なのはアロイーズです」

「はい、当時はたまたま通りかかっただけで。差し出がましいことをしたかも。すみませんでした」

「いえ、そんな……」


「ところでリリアーヌさんも王都に向かわれるのですか?」

「はい、娘には王女様たちの身の回りのことをさせるつもりです。また、商会を継がせるためにも王族の方々とのご縁を大事にしたいのと、王都での人脈形成を含めた育成のためでもあります」

「危険な旅であると思うのですが」

「そこは承知の上です(ジェロさんと親しくさせる機会と思えば……)」

「ジェロ様!どうぞよろしくお願いいたしますね」

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

『何か企んでいそうね』

『まぁ商人だしね、いろいろと王都でも思うことがあるんじゃない?』

『はぁ、まぁいいわ』

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