第158話 ガニーへの一時帰郷3
久しぶりのガニーへの帰郷で飲みすぎたジェロは夜の魔法訓練もそこそこで就寝し、朝のトレーニングだけは行って神殿に向かう。
「ローランス司祭、シスター・フロラリー、頂いた手紙などでニースコンのヴァレール司祭には大変良くして頂きました。ありがとうございました」
手土産も含めてお礼を述べる。
「あちらからも優秀な人物を派遣したことへのお礼の手紙が届いていましたよ。ニースコンでも活躍されていたようで」
「ジェロ、魔物だけでなく帝国兵との戦闘もあったと聞いたわよ。大丈夫だったのよね?」
「シスター・フロラリー、ご心配をおかけしてすみません。はい、この通り」
「ジェロ、そんな外向きの言葉遣いなんて……」
「私は用がありますので、どうぞ二人で孤児院にも顔を出してやってください」
ローランスは気をつかって離席してくれる。
「リスチューがギルドに見習いに来ているのに会ったよ」
「そうなの。ジェロがいろいろと教えてくれたおかげだわ。またギルドででも教えてあげてね」
「それが……」
またガニーを出て王都まで行くことを説明する。
「そうなの……能力ある人は世間のために尽くす必要があるのよ。ジェロを必要とする人がそれだけ居るということね。お願いだから身体にだけはくれぐれも気をつけてね」
前世での“ノブレスオブリージュ”のようなものかと思いながら、孤児院の子供たちにお土産を配り少しだけ一緒に遊んでいく。
その夜にはヴィクシムとバスチャンの設定による、ヤンクイユ商会の3人娘との合同コンパも“お帰りなさい会”兼“行ってらっしゃい会”という名目のもと開催された。ここでも銀級に昇格したことをきっかけに“玉の輿”話となり、いつものようにヴィクシムたちに反省会の名目の2次会まで連れていかれるという、少しわざとらしさと気遣いを感じたガニーでの平和な夜となった。
その翌朝には、自分の部屋に残していた魔法カードのコレクションを魔法の収納に移した程度の旅支度をして、“ジェロ班”の6人とともにモージャンに出発するのであった。
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