第155話 王都への護衛依頼3

「なるほど、王都へ向かうというのは護衛だったのですね。商隊に偽装するためにも我々にお声がかかったのですね」

「ムスターデ帝国の追手が来る可能性も高い。それでも引き受けて貰えるのだろうか?」

「もちろんです。ただ、用意に時間を頂けますか。護衛対象がお二人、騎士がお二人、ジェロ様を含めた冒険者の皆様ですか。我々の護衛も含めて準備いたしますので1週間お願いできますか」

「そうだな。騎士もご用意される領主様にも伝えておく。王太子殿下は時間がかかりすぎと文句を言いそうだからそれをかわすお願いと合わせて、な。メオン、ジェロ達はいったん予定通りガニーに帰って貰おうか。とんぼ返りにはなるが、ニースコンに行ってしばらく留守にしていたしな」


ドタバタしたが少し遅れてモージャンを出発してガニーに向かうメオンとジェロに率いられた冒険者たち。予定と変わったのはもう1つ。

『皆の気持ちはありがたいのだけど、これは疲れるよな』

『ありがたいならば頑張りなさいね』

先日、モージャンの街の手前で馬車から騎乗に変更した際に、ジェロの騎乗能力が皆より劣っていたのを踏まえて、イドたちが

「次はもっと長旅になるので、騎乗する機会も増えるでしょう。護衛に支障が出ないように頑張って」

と促されたのである。

『まぁ馬車と同じ速度だからそれほどでもなくまだマシかな』

「ジェロさん、余裕がありそうですね。ちょっと馬車と離れてあっち行ってみましょうか」

見透かされたジェロは街道沿いの広い場所での騎乗訓練にも付き合わされることになった。

『ガニーとの往復4日間で訓練すれば少しは慣れるでしょ。頑張ってね』

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