第152話 帰還準備3(+簡易地図)
そしていよいよガニーに帰還するための朝、冒険者ギルド前で馬車に乗るために皆がそろって居るところに領主館から早馬が到着する。
「メオン、ジェロ、皆、少し待って居てくれ」
見送るために出てきていたアンブリスが、使者をギルドマスター室に案内しに中に入る。
『嫌な予感がするわね』
『言わないでくれ……』
誰もが口にはしないが不安な顔でお互いを見合っている。
「メオン、ジェロ、あとイドもか。すまないが俺と一緒に領主館に行ってくれ」
「やっぱりですか……承知しました」
急ぎ領主館に向かう途中にアンブリスから共有されたことは、ラーフェン王族に関わるとのことだけであった。
ジェロは日本刀を魔法の収納にしまい見た目には手ぶらになり、領主館の大広間にアンブリスたちと進む。
「遅い!まったくこんな奴らが本当に役に立つのか?」
「王女殿下たちを無事にここまでお連れしたのはこの者たちです」
「ふん!」
「この街を出るところだったのに急に呼び出してすまんな」
「たかが冒険者風情に気を使う必要なんて無い!」
「ギルド職員ですが」
「同じことだ!」
領主がかばってくれているのは理解できるが、王太子とのやり取りを聞かされるのにはうんざりに思いながら頭を下げ続けているジェロたち。
「もうよい。話が進まん。お前たち、モーネ達について王都に行け。そしてラーフェン王国への援軍を連れて戻るのだ」
「王太子殿下、彼らはコンヴィル王国の国民ですので自国民のようにご指示できません。また援軍の有無はコンヴィル国王が判断されます」
「援軍は当然だろう。モーネ、お前が身を差し出すでも何でもしてこい。そうだ、そこの騎士2名はラーフェン王国の騎士なのだから次期国王の俺のもとに残せよ。モーネ、お前はヒルと行くのだぞ。質として求められたらラーフェンに戻らなくても良い、援軍がすべてだ」
〜〜〜〜〜
大雑把な位置関係:
<コンヴィル王国>
王都ミューコン
|
|
モージャン−−−ガニー
|
ニースコン
|
===
|
<ラーフェン王国>
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