第151話 帰還準備2
図書館で中級風属性魔法≪消音≫、中級土属性魔法≪土壁≫の魔導書を探すジェロ。
『なるほど。ある範囲の音を消すということは、詠唱をする魔法使いに対しても有効なんだな。便利そうだな』
『そうね、あとは斥候などで静かに行動をしたいときにも使えそうね』
『そういう機会が無いことを祈るけれどね』
『土壁はそのままね。防御に使うことが一般的と思うけれど、目隠しにもなるわね』
『土属性は前世知識で効果の増強が難しいんだよな。でもそのアドバンテージが無くても便利そうだな』
図書館の魔導書から重要ポイントだけを研究ノートに転記して、ヴァルに教わりながら演習することになれてきたジェロ。
人目の無い場所として、街の外の森の中に移動して訓練を開始する。
「音は空気の振動によって伝わるのだから、それを停止させれば良いと。こんな感じかな」
森の中であり普通にしていると風による木々の葉の音などが聞こえてくるはずが、≪消音≫により聞こえなくなる。
「なるほど。これはどうかな」
と、石を木に当てたり、刀で枝を切り落としたりしてみても音が聞こえてこない。
「これは活用先が色々とありそうだな」
続いて≪土壁≫にも挑戦するが、やはり≪砂生成≫≪石球≫のときと同様に土の組成など難しいことを考えても上手くいかず、単なる土の壁を作ることになった。
「コンクリート的な物は石壁などになるだろうし、これだけでも十分役に立ちそうだから良いか」
『土属性だけは何か苦手みたいね。それでも全属性を扱える人間なんてそうそう居ないのだから十分よ』
『ありがとう。俺TUEEE系ほどのチートでは無いけれども十分だよな』
『相変わらず変なこと言うわね……』
以前にモージャンからガニーに帰った際に、大きな街に行かないとまともな魔導書が見られないと思っていたことに対する成果は十分に得られた調整日となり満足なジェロであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます