第142話 モージャン冒険者ギルド

領主館にてラーフェン王国の4人と別れて、アナトマとともに商会に戻る。

「さすがジェロマン様。他国の王族の方もお助けするほどなのですね」

「どうかご内密に」

「はい、もちろんです」

商会で留守番していたリスチーヌたちと合流し、領主館に行く前に預けていたダンジョンコアを受け取る。同じく王女の魔法の収納袋から取り出して預けていたオークの死体は、アナトマへ迷惑料として提供しながらお礼を言い、退出して7人で冒険者ギルドに向かう。

『リリアーヌとかいう娘に会えずに残念ね』

『出かけているらしいから。それに残念という話では無いわ!』



モージャンの冒険者ギルドのマスターは、ガニーの街のマスターであったアンブリスでありジェロにとって人見知り相手では無いので、気楽に今回の報告をするつもりで向かう。

「おう、ジェロ!それにイド達も。ニースコンからの戻りか?」

「実は……」


「そうか、王都が落ちたところまでは聞いていた。王女達がここの領主館に……しかも帝国兵がうろついていると言うことか」

「それと、こちら」

ダンジョンコアをアンブリスに渡す。

「ふむ、コアも復活していたのか。戦争のため人手が足りないから、溢れてきていないのを良いことに調査の優先を下げていた。もう魔人とも関係ないだろうが、こちらは貰って追加報告にあげておく」

「魔人と言えば……」


「何!?ラーフェン王国の王城を落とした、国王を殺したのが魔人だと?うーむ。滅多に目撃情報がない魔人がこのタイミングで連続して。こちらのオーク達の氾濫とラーファン王国の件もつながっているのかもな」

「はい、目撃した騎士からの言葉からは、我々がオークダンジョンの最奥で見た魔人とは別人のようでしたが、可能性はあるかと」

「お前達のお陰で失敗したが、ラーフェン王国を支援するであろうモージャンの冒険者達への後方撹乱であった可能性か……」

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