第127話 ニースコン防衛

冒険者ギルドに戻った3人は、“ジェロ班”と自称する、オークダンジョンの最奥までジェロと共に潜った6人と応接室で話をする。

「ラーフェン王国の王女様と王子様!?さすがジェロさん、見込まれたんですね」

「子供への対応が、ね」

「いやいや銀級の腕が先でしょう?」

「で、お願いできるのかな?」

「もちろんですよ。なぁ」

メオンの問いにリーダーのイドが答え、他のメンバも頷く。

「では早速、明朝に出発する準備を頼む。戻って来ない可能性も考慮した準備でな。馬車や食料等はこちらで手配するから、自分の身の回りをしっかり、な」


ジェロはギルド職員やガニーから一緒に来た冒険者以外ではお世話になった神殿の司祭ヴァレールや子供達にだけ、戻らない可能性もあると挨拶に行き、宿屋で荷物の整理をする。とは言っても大した荷物は無いのだが。

『王族なのに供の数が少なすぎだったわね』

『何とか逃げ切って来ただけというところなんだろうね。あれ?王都の国王は亡くなったという話だから、異変のあった国境に居たらしい王太子までがもし亡くなっていたら、あの王女か王子のどちらかが次期国王!?』

『あらあら。だからこその追手や裏切りを心配なのかもね』


「敵襲だ!」

宿屋のすぐ近くにある冒険者ギルド辺りから叫び声が聞こえてくる。慌てて1階に降りると、メオンや他の冒険者達も集まってくる。

「まずはギルドに行って情報収集だ」

メオンの指示のもとガニーからの応援メンバがギルドへ向かうと、ギルド前で既に冒険者達が集まっていた。

「可能な者から城門、城壁へ向かえ!」

「よし、我らも向かうぞ!」


「弓矢や攻撃魔法など遠隔攻撃が出来る者は上へ!」

ジェロは“ジェロ班”の弓士エヴラウルたちと城門の上への階段を登る。メオンは城門の内側で他の冒険者達をまとめている。

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